今でも覚えてる。

きっと永遠に忘れることないだろう。

あの日のイチゴ味のドロップ。


あたし、北原菜都、16歳

恋に関してすごく嫌な思い出がある。

今、あたしは好きな先輩がいる・・・というか憧れ的な存在の人。

その人が好きなはずなのにあたしの恋はあいつに邪魔されてばか
りだ。


「菜都〜!一緒に帰ろうよー」と、

今、声を掛けてきたのはあたしの友達、相澤透子。


「あ、ゴメン、これから委員会なんだよねぇー・・・」

「そっか。じゃあ菜都が終わるまで教室で待ってるよ。」

「ほんと?ありがとー。」

「うん。あ、これあげるっ」

「え?」


『パシッ』受け取ったのは1つのドロップ。

袋に入ってたけど赤っぽい丸い飴だった。

すぐにイチゴ味だってわかった。

あの日からあたしはイチゴ味の飴は食べられない。

でも・・・


「委員会中にでも食べて?・・・なんて。」

「あ、・・・ありがと、透子」

「んー。またねぇ」


別に透子に悪気があったわけじゃないから受け取ることにした。

それから委員会のある教室に移動して始まったけど、

・・・何も頭に入ってなかった。

ずっと、ドロップを見つめてたらいつのまにか終わっていた。

その教室には先輩がいたのに、なぜか飴に集中していた自分がいた。

透子が待ってくれているから、急いで教室に戻ろうとしたとき

廊下に座り込んでるあいつがいた。

無視して気づかないフリをして通り抜けようとしたら急に・・・


「あ、なー!北原ー」

あいつ・・・清瀬幸浩。

無視、無視、もう関わらない。あたしは今、先輩が好き。


「北原ーって。シカトすんなよー」

「-----!!!あのねぇ、話しかけないでくれる?」

「何だよ。別にいいじゃねぇか。」

「あたしはねぇ、あんたなんか・・・」

「北原さん」

そう声掛けてきたのはなんとあたしの好きな・・


「片岡先輩!!」

「仲いいね、君ら。あ、これコピーしてみんなに配っといてくれるかな?」

「はいっ!!あ、ちなみに仲良くなんかないです。」

「そう?じゃ、また委員会の時にでもね。」

「はい。お疲れさまでしたー。」

「何、北原ってあんなん好きなん?」と清瀬。

「関係ないでしょ。清瀬とは大違いの人よ。」

「なー、片岡っていい噂、聞かねーぜ?」

「先輩に何の噂があるっていうのよ!
 悪い噂でいっぱいなのは清瀬の方じゃないの?」


こんなやつにそんなこと言われるのが悔しくて

思いっきり反論していた。

それから走って教室に向かってドアを開けた。

教室の中に誰がいるとかそんなこと考えもせず

ただ足に力が入らなくなって座り込んで泣き出してしまった。


「菜都?菜都!どしたの?」

「透子ー・・・」


それからあたしは透子にあたしのことを初めて話した。

【中学の時、教室で日直日誌を書いていたとき、
 
 同じクラスの清瀬に初めて話しかけられたこと。
 
 それから少し話してて「飴、食べる?」って言われたから
 
 「うん」って言っただけなのにいきなりキスされたこと。
 
 それから、清瀬が大嫌いになったこと。
 
 避け続けてきたのに、なぜか高校まで一緒になっちゃったこと。
 
 片岡先輩が憧れの人だということ。】

 
ひとつひとつ全部、透子にわかるように言った。

透子になら言っていいと思ったから。

透子は黙ってあたしの話を聞いてくれてたけど、

それからやっと口を開いてくれた。


「ねぇ、菜都、はっきり言うとね、片岡先輩って本当に
 いい噂、聞かないよ。あとね、片岡先輩のこと好きって
 菜都、言ってるけど今の話聞いてるとあたし清瀬くんの
 ことかなり気にしてる気がする・・・」


何で?何であたしがあいつを・・・?
 

「・・・ゴメン。顔、洗ってくる」

「菜都、あたしここにいるからね。」

「ん、ありがと。」


顔を下に向けながら水道場に向かって階段を上がっていくと、

踊り場の方から『ガタッ』そんな音がした。

何かと思ってゆっくり行くとそこにいたのは

一人の女の人と片岡先輩だった・・・

あたしは「彼女いるんだ」と思った。

だってその人、片岡先輩と・・・抱き合ってたから。

マズイと思って慌ててその場を去ろうとしたら、

あたしより先に女の人が階段を降りていった。


「北原さん」そう、先輩に声を掛けられた。


泣きはらしてた顔を見られたくなくって思わず顔を伏せた。


「あ、何か邪魔しちゃったみたいですみませんでした・・」

「構わないよ。それより北原さんって彼氏いるの?」

「いませんけど・・・」

「じゃあ、いいよね」

「え?」そう言う間もなく先輩はあたしを抱きしめてきた。

「ちょっ!やめてくださいよ!!何するんですか?先輩、彼女いるのに・・」

「あれは彼女じゃないよ、友達。それと北原さんって
 俺のこと好きなんでしょ?時々、こっち見てたよね」

「・・・サイッテー!!そんな人だと思わなかった。
 もう2度と話しかけないでください。」


やっと透子や清瀬の言ってた意味がわかった気がした。

階段を駆け下りて、廊下を走って教室に戻って・・・と思ったら

曲がり角で誰かにぶつかってしまった。


「いたっ・・・」

「北原?どうしたんだよ??」そう言ってきたのは清瀬だった・・・

「先輩さぁ、清瀬の言うとおりだったよ・・・。本当にサイテー。」

「お前、片岡に何かされたんかよ?」

「抱きつかれただけ・・・」

「は?何だそれ、片岡のヤロー、」


そう言って清瀬が立ち上がった瞬間、あたしは思わず止めた。


「もう、いい・・・あたし、十分、言ったし。」

「・・・じゃー、いいけど」


良く分からないけれどあたしはそのとき、

すごく清瀬がいい人に見えてきて抱きついていた。

こうしてるとさっきまでの震えが止まる気がしたから。

すごく安心感があった。

あたしオカシイ。さっきまで清瀬のことで泣いてたのに・・・


「なー、北原さ、今だから言うんだけど、
 俺が中学のとき何でお前にキスしたか知ってる?」

「・・・知らない」

「北原んこと好きだったから。」

「うん・・・」

「それだけ。立てる?」

「ん・・・」


『コトッ』立ったときあたしは何かを落とした


「飴、落ちたよ。・・・イチゴか」と清瀬が言った。その後・・・


『ガラッ』ドアが開く音がして・・・

「菜都!!」と透子の声がした気がしたけど・・・

そのときあたしはまた・・・清瀬にキスされていた。

それから清瀬はこう言った。


「俺の気持ちは変わんねーから」

「うん・・・」


あたしは怒る気持ちもなくってただそう頷いてた。

後ろで透子が「キャー!」って叫んでたけど・・・

事情は後で話そうと思う。

でも1番ビックリしてたのは誰よりも清瀬だった。


----- ・・・まだまだ本当の恋はこれからかな・・・ ----



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2004/08/10

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