手紙を片手に鍵を開けて、家に入る。

バックと手紙を机に置いて、暖房をつけて一息。

コンポの電源を入れて、音楽を小さい音でかける。


そして、夕飯を何にしようかな、って思って冷蔵庫と相談。

今日は・・・簡単にカレーにでもしようかな、作り置きもできるし。


今更だけど、あたしは1人暮らし。

毎晩・・・というか毎日の朝食や夕飯を決めるのがとても面倒。


結果、あたしは、今日はカレーと豆腐サラダにしようって決めて作りはじめた。





*





よっし、こんなものかな。

出来上がり。

だけど時間はまだ6時30分。

さっきまでファミレスにいたあたしはまだ、お腹が空いてなかった。

サラダにラップをして冷蔵庫にしまって、エプロンをクローゼットにかけて

また一息。少し考えた後、先にお風呂に入ってしまおうと思ってガスをつけて浴室に向かう。





*





お風呂を上がって、リビングに行く。


菜摘「ふぅー、気持ちよかったー」


髪の毛を拭きながら、テーブルの上に置いてある紙に気付く。

そういえば手紙が来てたんだ。

手紙を確認しようと思って、机から3通の封筒と2枚のハガキを手にする。


菜摘「んー・・・っと、携帯の請求書、請求書、請求書・・・しか来ないよね・・・で、DMに・・・ん?・・・誰だ?」


男の人の字であたしの名前が書いてあったハガキが1枚あった。

切手も貼ってあって、DMじゃなさそう。

表面には差出人の名前がない。

裏返すとそこにはー・・・


『同窓会・幹事 北岡弘人』と、


大きい文字にオレンジ色の文字で、


『1998年度卒業生・××市立N中学校・3年2組 同窓会のお知らせ』


と書かれていた。


菜摘「・・・・・・最悪」


それから、あたしはそのハガキを、

グシャグシャに丸めて捨てるようにバックに入れた。

あとで・・・名前を消して外のゴミ箱に捨てよう。

で、忘れよう。

こんなハガキ来なかったの。そう、思おう。


大体、あたしが行くわけないのに。

幹事・・・北岡くんだっけ?も、何でハガキなんか出すかな。

ってか、何であたしのここの住所知ってるんだろう。

普通、こういうのって実家に届くものでしょ?


あたしなんか来なきゃいいって思ってるくせに。

あたしに会いたいなんて思ってる人なんているわけないのに。

あたしが来るわけないって思ってるくせに。

こんなハガキ送ってきて・・・



嫌味か。



−−−本当に・・・最悪。


それから、髪を適当に乾かして、梳かした。

かかりっぱなしになっていた音楽のボリュームを上げて忘れようって思った。

何も余計なこと考えないように、20巻完結のマンガを本棚から出して、

抱えてベットまで持っていき、横になって読み始めた。

夕飯は、せっかく作ったけど、朝用に買っておいたパンだけを食べてダラダラと時間を使った。



気付けば・・・カーテンの隙間から光が差し、

スーッと寒い空気を肌に感じる。

外を見れば、キレイな青空、今日は快晴。




どうやらあたしは、眠気に勝てず途中でマンガを片手に眠ってしまったらしい。


そんな、朝。

時刻はAM8:05。



4.遅刻の理由

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